ChatGPT Plusに課金したら、1日でアカウントが消えた話

ChatGPTをアップグレードしたら、翌日からログインできなくなった

たけむらです。タイトルの通り、やらかしたお話をしようと思います。

昨今、生成AIの話題が賑やかですね。
OpenAI DevDayでGPT-4 All ToolsやGPTsなどの新機能が発表されました。
その後も様々なリリースが続き、生成AI戦国時代の風を感じます。

そんな私もChatGPTを活用したい。
もっと仕事をサボれたらいいな効率的にできないか考えていました。

ChatGPTは無料でも利用できますが、GPT-3.5というバージョンしか利用できません。
無料版でも充分な機能を有しています。
ただし情報が古く、最新の情報に対応しておりません。

有料版のGPT-4は、WEB上の情報を収集でき、最新の情報にも対応できます。
また、画像の生成を依頼できたりと、機能が大幅に強化されます。

だったら有料版を使ったほうがいいよね。
ということで、お金を払ってアップグレードをしたのですが・・・
翌日からログインできず、アカウントも復帰できなくなってしまったのです。

学習データには使われたくない

ChatGPTの初期設定では、入力した質問や情報が学習データとして利用されます。

情報漏洩につながる可能性があるので、よろしくないなと思う方向けの設定があります。

「Settings & Beta」の「Data Controls」から”Chat history & training” をOFFにすることで学習の制御ができます。

Settings

ただし、この設定をするとチャット履歴が残らなくなり、とても不便になってしまいます。

Chat

チャット履歴は残したいけれど、学習データには使わないでほしい。
そのような場合はリクエストを個別に送ることで要件を満たすことができます。

OpenAI Privacy Request Portal」こちらの「Make a Privacy Request」から、トレーニングの制御と、過去データ(要注意)の削除申請を行うことができます。

Privacy Request Portal

申請は簡単。
リクエストを行い、送られてきたメールのリンクから手続きを行うだけです。

Steps

私は”Do not train on my content” と”Delete my data”の申請を行いました。
その後、よしよしやれやれと安眠したのでした。

Oops! のはじまり

翌日ChatGPTにログインすると、次のようなメッセージが表示されました。

Oops!

Oops! You do not have an account because it has been deleted or deactivated. If you believe this was an error, please contact us through our help center at help.openai.com.

おっと!アカウントを削除または停止したため、アカウントがありません。エラーと思われる場合は、ヘルプセンター(help.openai.com)までご連絡ください。

????

検索すると、ChatGPTのフォーラムに同じ症例報告が数多く見つかりました。

また、日本語の記事でもGPT Plusにした途端にログインできなくなった。
など、ChatGPTがかなり不安定である記事が散見されました。

この時私は、「いつか直るだろう」とのんきに放置していました。

直らないOops

数日が経ちました。
しかしエラーが出続け、改善の気配がありません。

フォーラムには、怒りに満ちたり、懇願したり、死屍累々とスレッドが並んでいます。

そんな中、OpenAI社(ChatGPT)からのメールを見て嫌な予感がしました。

OpenAI 社からのメール

Your Delete my data request has been completed.
~~ you will now be unable to access OpenAI services, such as ChatGPT ~~

あなたのデータ削除リクエストは完了しました。
~~ ChatGPTなどのOpenAIのサービスにアクセスできなくなります。

ああ、”Delete my data”というのは”アカウント削除”のことだったんだ。そう気づいた瞬間でした。

その後、アカウント復元リクエストなるものを探し当て、リクエストを送るものの
すでに復元できないし、同じメールアドレスでは登録できないよ。

僅かに抱いていた希望を打ち砕く現実を受け取るのでした。

チャットで問い合わせしているところ

以上が、課金したアカウントをたった1日で削除した経緯です。

現在は、別のメールアドレスで登録を行い、課金し、”Do not train on my content”リクエストのみを行って、無事に利用することができている状況です。

気になる返金

気になっていた削除アカウントのお金は返金されていました。

1日しか使っていないからかどうなのか分かりませんが、安心です。

もしかすると、ログインできないと困っている方々は、私と同じ轍を踏んでいるのかもしれません。

英語のネイティブ話者ですら間違っていると思われ、よほどUIが分かりにくいのでしょう。

「UIが分かりにくい。せめて赤いボタンとかにしたほうが良い」とメッセージを送ったところ、お礼メールをいただきました。

改善依頼に対するお礼のメール

後日Settingsを見ると、設定画面にアカウント削除のボタンが・・・

新しいSettings?

記憶が確かではないのですが
こんな押しやすいところにアカウント削除ボタンなんて無かったような・・・

もう少し別の場所に配置してほしいと思いながら、このボタンには気をつけようと心に刻むのでした。

みなさま、プライバシーリクエストには気をつけましょう。

参考文献

OpenAIサービスでのデータ削除リクエストを整理する