心理的安全性を保つために:ネットオンでやっているチームビルディングについて

記事の概要

この記事はなに?

こんにちは。株式会社ネットオン開発マネージャのD(チーム作りのひと)です。

心理的安全性を意識したチームを作りたいなー。と考えながら日々仕事をしております。

今回は、心理的に安全なチームを作るために弊社がやっていることを書いてみて、参考にしていただいたり、私自身の考えの整理をしたりしてみようかと思います。

この記事はこういう方にオススメ

  • チーム作りにかかわる人
    • チームリーダーとか
    • マネージャとか
  • 心理的安全性に興味がある方
    • 弊社のやり方を参考にしたい方
    • 弊社のチームビルディングのやり方を垣間見たい方
    • 記事を見てなにかモノ申したい方

心理的安全性について

そもそも、心理的安全性とは

Googleのプロジェクト「Project Aristotle」での研究結果で有名になった言葉、だと認識しています。

心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。

Google「re:Work」より引用

つまり、心理的なダメージ・ハードルを感じることなく、考えたことを素直にオープンにできるかどうかということだと解釈しています。

なぜ心理的安全性が大事なのか

Googleの「re:Work」を参考にすると、効果的なチームに必要な要因というのが、重要な順に以下の5つ、ということで。

  • 心理的安全性
  • 相互信頼
  • 構造と明確さ
  • 仕事の意味
  • インパクト

そのうち、心理的安全性は一番最初に出てくるもの(つまり最も重要)になります。

上記のように最も重要という位置づけになっているのは、それ以降の4つの要因を効果的に作用させるための土台として存在しているからではないかと想像しています。

  • 心理的に安全でないと、相互信頼が築けない
  • 相互信頼できていないと、それぞれの役割・計画・目標が明確にできない
  • 役割・計画・目標が明確でないと、仕事の意味を感じづらい
  • 仕事に意味を感じていないと、インパクトのある変化を起こせない

というような具合です。

心理的安全性が敬遠されてしまう理由

仕事をしていると、いろんな文脈で「心理的安全性は大事」というような言われ方をすることがあったりするかと思うのですが。どうもその「大事な理由」というのがいまいちあいまいになってしまっている場面は多いのではないかなと思っています。

よく誤解として言われるのは、チームが「なあなあ」になったり、ぬるま湯な雰囲気になってしまうぞ、という指摘です。

深堀りするとこういうことでしょうか。

  • お互いに鋭い指摘ができなくなる
  • TPOにそぐわない発言が増えてしまう(ふざけすぎたり、ルール無視が増える)
  • 仕事の緊張感がなくなり、心地よさばかりを追求してしまう

心理的安全性は、最終的には「構造と明確さ」や「仕事の意味」の土台になって紐づいていくものです。というか、それらに紐づかないと意味がないです。

なので、鋭い指摘ができなくなる・ふざける雰囲気になるというような指摘は、心理的安全性だけにフォーカスしてしまっていて、その他の要因を理解していないということに他ならないのだと思われます。

心理的安全性が大事だと「思われすぎてしまう」理由

先ほどの指摘の中で「仕事の緊張感がなくなり、心地よさばかりを追求してしまう」というのがあったかと思うのですが。

現場の側からいうと、やはり心地よく仕事がしたいですよね。

そんな中で「心理的に不安を感じない」という部分だけを抜き出してくると、なんだか非常に心地よく仕事ができそうだなーという印象になるわけですね。

現場側からすると、本心としては「心理的に不安を感じずに心地よく仕事をしたい」という思惑で、「心理的安全性は大事だってGoogleが言ってる!」という意見が出てきたりするわけです。

大事なのは確かなのですが、心地よさが大事、という意味に置き換えられてしまう。「心地よさ」というメリットを享受してももちろん良いのですが、それは目的ではないわけです。

その先にある、相互信頼・構造と明確さ・仕事の意味・インパクトもセットで語られないと、心理的安全性の本当の意味での重要性は認識できないのですね。

なので、「心理的安全性」という言葉が独り歩きしている場合は注意が必要なわけです。

心理的安全性を高めるためにやっている取り組み

さて。上記のようなことを踏まえて、実際に弊社内でやっている取り組みの一部を紹介したいと思います。

皆さんのチーミングの参考にしていただいたり、弊社内の雰囲気を少しでも知りたい方の参考にしていただければと思います。

ワークショップ

月に1回、コミュニケーションを図るためのワークショップを実施しています。

たとえば。

  • ドラッカー風エクササイズ
  • 片思いマッピング
  • 出発のための3つの問い(チームジャーニー)
  • インセプションデッキ
  • ムービングモチベーター

などなど。

具体的な内容についてはまた別途記事に起こそうかと思っていたり、あるいは一部、簡単な紹介が下記の記事にありますので参考にしていただければ。

ワークショップ開催の意図

もともと、フルリモート勤務をするにあたって、コミュニケーションを密にとる機会が失われやすいよね、ということで、定期的にワークショップを開催するようになりました。

コミュニケーションをとる場を設けることで、チームからの意見やアイデアを求めることにもつながり、結果的に心理的安全性を高めるための一助にもなっているのだと思われます。

日報

「日報」というとなんだか事務的な印象があるなと思いますが・・・交換日記みたいなものだと思っていただければいいのかなと。

メンバーには、日々どんなタスクにどれぐらいの時間を使ったかの記録を付けてもらいつつ、もうちょっと抽象的に、どんなことをやったか、どんなことで詰まったか、といったようなことを自由に記載してもらうために日報を書いてもらっています。

で、これに対してマネージャの私が必ずコメントを返しています。

そこで気を付けていることがあって。

  • 毎日返す
  • なるべくフランクに
  • 否定はしない(ただし間違っていることは間違っていると伝える)
  • 困っていることに対する解決案があれば書く(思いつかない場合は思いつかないと書く)
  • 失敗やうまくいかなかったことは「学び」や「ふりかえり」のポイントであると伝える

というところでしょうか。

日報の意図

チームでの仕事の進め方、というのは抽象的なものも多いもので、どういったやり方がより良い(と思われるか)というのは、一言で明文化するのは非常に難しいと感じています。

一部、ルールとして記載していたり、折々の機会に全員に話をすることもあったりしますが、どうしても陳腐化していったり、一方的に話をしてしまいがちになります。

日報によって、個別に発生した事象に対して、それはいいことだ、それはこう改善した方がよさそうだ、といったコミュニケーションをとることで、

  • なんとなく、こういうやり方がよさそうなんだなという合意が形成されたり、
  • あるいはメンバーから異論が出ることもあって、それは議論をするきっかけになったり。

そうやって少しずつ形成されていくのが心理的安全性なのではないかなぁと思ったりしています。

まとめ

ということで、心理的安全性をテーマに書いてみました。

  • 心理的安全性単体ではなく、そのほかの要因もセットで考える
  • 心理的安全性を高めるには、いろいろな施策を実行して時間をかけてじっくりやっていく

ということかなと思っています。

まだまだ弊社ではできていないこと、あるいは仕事の意味やインパクトなどに直接結びつくような行動ができていないことなど、いろいろ課題はあるかと思うのですが、できることから少しずつやっていこうかと思います。

また、いろいろな取り組みをやった結果をブログに書いていく予定です。